今日はひどくマイナーだけど当事者達にとってはとっても重い話題。インターネット上の情報が少ないので、検索してたどり着いた方の参考になれば嬉しいです。
TREK(トレック) のミドルグレード以上のフルカーボンフレームにはシートマストキャップって構造が採用されています。フレーム側にシートポストがついていてそれにシートマストキャップを上から被せる機構でシートマストの柔軟性が高くて乗り心地が良いんだとか。
特殊な構造だけにシートマストキャップは純正品しか売られてなくて \17,000 くらい。長さが 135mm と 175mm、セットバックは 5mm と 20mm の選択肢があります。
ただしこの構造は問題も色々あるようで、シートマスト側についているクランプを締め上げるためトルクが弱いとフレーム側のシートポストの表面を傷つけながらシートマストが落下するとか、トルクが強すぎるとシートポストが破損する可能性があるとか... 破損を避けるためかクランプのネジが弱いらしくナメてしまった情報もあり。TREK(トレック) に確認しましたが、ナメるとクランプだけの交換なのに本国送りとなり数千円以上の出費となるよう。
私の EMONDA(エモンダ)SLの場合ちょっと特殊な事情があり、シートマストキャップの交換が必要となってしまいました。乗り換え前のフレーム(DEFY3)はセットバックゼロのシートポストだったので セットバック 5mm のシートマストを指定して EMONDA(エモンダ)SL に乗り換えました。ところがなぜかどんどん後ろ乗りになってしまい... ついには セットバック 20mm のやつが必要になってしまったわけです。
さすがに \17,000 は出せないので、オークションサイトでクランプをネジ切ったワケ有り品を安く落札。
左がセットバック 5mm、右がセットバック 20mm。赤枠は純正のクランプで青枠は普通のシートクランプを後から買ったもの。
私の場合は既にクランプがシートマストから剥がれたものを買ったので純正クランプをシートマストから剥がす手間が無かったので正確には分かりませんが、純正クランプとシートマストの接着は強くなく容易に剥がせるようです。
クランプの選び方ですが、シートチューブとシートポストとの関係が普通とは逆なので注意が必要です。頭がこんがらがりますが、じっくり考えてみましょう。
具体的にはシートマストの外径をノギスで測って、それと同じくらいの内径のクランプを探します。34.9mmのクランプが合うようです。
さて、シートマストキャップを交換します。
純正品のクランプには 7Nm の指定トルクが書かれてますが、7Nm は結構強めなので恐怖です。しかも締め付けてる途中にパキッて鳴ったりして心臓止まりそうになります。5Nm で締め込んでネジ切ったって情報もあるし… 当面私は 6Nm で運用してますが今の所問題ありません。
サドルクランプは 16Nm が指定値。これもかなり強めです。お店に聞いたらそれくらいで締め込んでる、ここは何かを破壊する前にネジ山が切れるから大丈夫とのこと。それでも怖いので 12Nm くらいで締めてます。
交換してからシートマストキャップに若干の仕様変更がされていることに気づきました。
交換前のモノ。
スリットが二本。
交換後のモノ。
スリットが一本。
こちらのほうが古いので、フレーム傷つける可能性が高かったりするんだろうか? クランプも純正品じゃなくて信用ならないし…
ビクビクしながら 200km くらい走りましたが今の所問題はなさそうです。
なお、トルクはデジタルトルクレンチで計測しています。
こちらの記事を参照ください。
2019.1.20 追記
上記はカーボンのシートマストキャップについてですが、2018年モデルからグレードによってはアルミのシートマストキャップが搭載されるようになったようです。オークションサイトで「なんか妙に安いな」と思って間違って落としてしまったので、重量を実測してみました。
135mm のカーボンは129g。
135mm のアルミは229g。きっちり100gの差。
僕みたいにダンシング時のフィーリングに拘って軽量サドル選ぶような人にとっては無視出来ない差だと思いますよ。何よりフルカーボンのフレームのてっぺんに100gも重いアルミパーツ乗っかってるなんて許せないよね。