2014年04月20日

HDR-MV1 のウインドジャマー(風防)

こちらこちらの記事でレビューを書いたHDR-MV1ですが、多くのサイトで書かれているように、とても吹かれに弱いです。おまけにウインドジャマー(風防)が純正オプションとして販売されていません。


こちらの記事に書いたような環境では、吹かれはほぼ問題にならないのですが、今後のことも考えて室内で役に立つレベルのウインドジャマー(風防)は用意しておきたいと思いました。

Youtube や web で「HDR-MV1 ウインドジャマー」等で検索すると一杯出てきますが、本当にこんな素材で大丈夫???な感じのものが多く、音質の劣化について定量的な測定が実施されていないのであまり参考になりません。計測ヲタクの私としてはとっても燃えたくなる状況で嬉しくなり(笑)、早速計測してみました。

IMG_3332.JPG
こんな感じで三脚にマウントしてスピーカーから流したホワイトノイズを HDR-MV1 で拾って FFT 解析します。波形ジェネレータは WaveGene、スペクトラム解析は  WaveSpectra を使用しました。本当は周波数スイープかけたほうが正確なのですが時間がかかるので、そこそこの特性までは分かるホワイトノイズでの簡易的な測定としました。

まずは、今まで我が家の標準外部マイクだったオーディオテクニカ AT-822(製造中止済) との比較。赤が HDR-MV1(風防なし)、青が AT-822(風防なし)です。(クリックして大きくして見て下さい)
AT822.PNG
5khz くらいまでの特性はマイクと言うよりスピーカーや部屋の音響特性を色濃く受けていると思われますが、5khz 以上の特性はマイクの特性の違いと考えられます。特に 10khz 以上の伸びは HDR-MV1 は AT-822 を遥かに凌駕しています。S/N 比も HDR-MV1 は AT-822 に比べて段違いに良いので、我が家ではもう AT-822 を使用する意味は無くなってしまいそう。一点だけ AT-822 が HDR-MV1 に比べて良いと思うのはどんな状況でも「痛い音」にならないこと。和楽器の録音では重要な点です。

で、主題のウインドジャマー(風防)についてです。
まずは Youtube で「100円で出来る...」とか喧伝されている、ダイソーのいす脚ソックスです。
IMG_3329.JPG
IMG_3340.JPG
1枚でも室内の静かな環境なら吹かれに対して十分効果があります。

赤が風防なし、青が いす脚ソックス1枚。
ISU1.PNG
HDR-MV1 の折角の 5khz 以上の高域特性の伸びがスポイルされることが分かります。

次は、赤が風防なし、青が いす脚ソックス2枚。
ISU2.PNG
ここまでハイ落ちすると、聞いてもはっきり分かるレベルのはずです。一見すると「青のほうがよりフラットな特性に...」と思うかも知れませんが、スピーカーや環境の特性も大きく影響していますし、風防なしからどれだけハイ落ちしているかのほうが重要です。
また、使用しているうちにどんどん毛足が抜けていくので、マイクや機材に入り込まないか心配で、精神的にも良くありません。

ついでにダイソーで買ってきたモフモフしたフェザー帽子。
IMG_3330.JPG
毛足が長いタイプのウインドジャマー(風防)に見た目や触った感触はかなり近いです。でも、画像に影響を与えないような加工は難しそう。
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とりあえずこんな感じで全面的に覆って測定してみました。ちなみに吹かれ耐性は今回使った素材の中で最強です。多分屋外でも役に立つでしょう。
IMG_3337.JPG
でも、特性はいす脚ソックス1枚と同じくらい高域が落ちます。赤が風防なし、青がフェザー帽子。
MOFU.PNG

じゃ、AT-822 に付属していた標準ウインドジャマー(風防)はどうかなと思ってやってみました。
IMG_3335.JPG
なんか軍艦鳥みたいで見た目悪いですね...でもこの状態では画像への映り込みはないです。

特性は今回の素材のなかでは最良。赤が風防なし、青が AT-822 風防。
AT822F.PNG
やっぱり餅は餅屋ですね。素人考えでダイソー品流用したりしないで、ちゃんとしたマイク用ウインドジャマー(風防)買って定量的に測定して結論を出しましょう。
ちなみに AT-822 の標準ウィンドスクリーンは、まだこちらから入手出来るようです。無くなる前に HDR-MV1 用の予備パーツとして買っとこうかな...
posted by モッパー at 20:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ/音楽

2014年04月14日

HDR-MV1で撮った動画のレビューと編集のポイント

こちらの記事で書いた HDR-MV1 で妻の演奏会を記録する機会があり、動画編集と DVD オーサリングまでやりましたので、さらなるレビューです。

3時間26分 の演奏会を 1920x1080, 音声 PCM の最高画質・音質で流し撮りしました。もちろん AC アダプタ使用です。
小規模なステージなので、HDR-MV1 の画角だとステージ前 5m くらいに設置するとベストポジション。でも主催者側でないとこの場所に三脚おっ立てるのはなかなか難しいでしょうね。また、能舞台で床が全て木材だったので、三脚に直接マウントすると恐ろしく床の振動を拾います。座布団の上に三脚立ててローカットフィルタ入れてなんとか凌ぎました。今後三脚へのマウント方法の改善が必要です。
曲毎にステージ前まで駆けつけてHDR-MV1の操作するのはあまりに迷惑な感じだったので流し撮りしかありえませんでした。スマホアプリで Start/End トリガかけることも出来ますが失敗するとオジャンなので怖くて出来ませんでした。

結果的に出来上がった動画はトータル 26GB, 1ファイル 4GB の縛りから 6 つの MP4 に分割されています。ここでハタと気づいたのは、まずはこの複数の MP4 ファイルを完璧に結合してからでないと編集出来ないこと。まずは HDR-MV1 をリモートディスクとしてマウントしたり SDXC から直接動画ファイルをコピーしてみましたが惨敗。MP4読めるようにセットアップしたはずの Aviutl や TMPGEnc VMW5(体験版)でも動画ファイルを認識してくれません。色々やって分かったことは MVR Studio(こちらから無料でダウンロード可) か Playmemories Home (これも無料。Windows7対応版はこちらから。HDR-MV1をキーワードにして検索すると Windows8 64bit版に行き当たってしまうので注意)経由で取り込まないと、他の動画編集アプリでは扱えないこと。いったん取り込むと Aviutl や TMPGEnc VMW5 でも読み込めました(編集や保存まではやってません)。ただし、そのあと MVR Studio は処理対象をマイビデオに限定とか・結合出来ないとか・結合した 4GB 超えのファイルを相手にしてくれなかったりしてほぼ役立たず。

編集は Playmemories Home 以外の動画ソフトでも良かったんですが、やはり SONY 純正品と言うことで完璧な結合をしてくれそうな Playmemories Home で結合と曲の切り出しを行いました。Playmemories Home はタイムスケールの調整が大雑把だったり編集に煩い方には向かないと思いますが、私の要求には十分答えてくれるものでした。何より安定感が抜群!。画質の劣化とか音との同期という面でも問題はありませんでした。

今までDVDオーサリングは、三洋のデジカメについてきた DVD MovieWriter 5 for Sanyo を使用してきましたが、HDR-MV1 のMP4は読み込んでくれませんでした。色々フリーや\3,000くらいの安いオーサリングソフト試してみましたがイマイチ。TMPGEnc Video Mastering Works 5 を購入することに落ち着きました。


尚、最終的な画質と音質については...
音質は前評判通り申し分ありません。ズームがないのでステージに近接して撮るしかなく、結果的にダイレクトな録音になるとも言えます。ステレオ感もバッチリです。クラシックのワンポイント録音で使用される、ステージ前天井から三点吊りで設置したマイクに近い距離ですから良くて当然なんでしょうね。。和楽器はとても生録が難しいのですが、SN 比が高くてかつ「痛い」音にならないあたりはさすがです。
画質は期待していたよりイマイチです。要は魚眼レンズなので周囲の歪曲が大きい。確かに暗さには強いようですが反面抑揚のないノッペリした画像になりがちです。スポットライトギンギンに当たった状況なんかに最適化されていて、今回記録したようなクラシックなステージには弱いのかも。解像度も低く 1920x1080 で撮る必要はあまり感じません。1280x720 で十分でしょう。
12.jpg

2014.4.20 こちらの記事にウインドジャマー(風防)についてのレビューがあります。
posted by モッパー at 18:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ/音楽

2013年12月31日

HDR-MV1のレビュー

こちらの記事に書いたように、妻の和楽器の録画と録音には散々苦労してきましたが、その悩みを一気に解決してくれそうな HDR-MV1 が SONY から日本でも発売されたので、早速ポチッしてのレビューです。


お値段を考えると、音質については文句ないです。
IMG_3115.jpg
妻と娘の演奏を実録してみましたが、とてもノイズレベルが低くてクリア。ただし、和楽器には相応しくない程ダイナミックレンジが大きく「痛くて」「痩せた」音になってしまう。外部マイクに AT-822 を使ってみましたが、ノイズレベルが少し上がるけど痛くなく良い感じです。これだけマイクの特性を感じられること自体が HDR-MV1 の素性の良さを示します。

画質については、演奏会等複数のシーンを撮らないと正当な評価出来ないので、後ほどレビューします。

取り込んだファイルの PC への転送で一悶着。メモリは SDXC 64GB を入れたので、WindowsXP では USB 経由でもメモリカードリーダでも全く認識してくれない。SDXC は Windows Update では入れてくれない更新プログラム KB955704 をインストールする必要があります。こいつさえインストールすればUSB 経由でもメモリカードリーダでも大丈夫。ただし、MVR studio はこいつを入れても WindowsXP にはインストール出来ないよう。

以下、不満な点です。
  • 側面にしか液晶ないので演奏中のチェックに手間取る。スマホ接続出来るんでまあ良いですが。
  • スマホからのリモートコントロールの機能が貧弱。画像のチェックと録画の開始/終了しか出来ない。一旦録画始めてから、リモートから音量のコントロールとか画質調整したいことがよくあるのに。
  • ズームがない。思い切ったスペックとして評価しますが、実用上はやっぱり欲しい。
  • ヘッドフォンジャックが抜けやすい。モニタ用途でヘッドフォンを使うシーンでは結構致命的。
でもまあ、こんな不満点はアバタもエクボという感じです。そんなことより、この製品を世界に送り出した SONY を賞賛したい。ウォークマンよりずっとニッチなマーケットかも知れませんが、初代ウォークマンやGoProの衝撃と同じレベルの鳥肌立つ感覚を感じます。GoPro と同じように、特に音楽シーンで SONY が想定もしてなかった使用方法が生まれたり、二番煎じ商品が追いかけることになるだろうと思います。

2014.4.14 こちらの記事に実際撮影した結果のレビューと動画編集のポイントについてアップしました。2014.4.20 こちらの記事にウインドジャマー(風防)についてのレビューがあります。
posted by モッパー at 20:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ/音楽

2013年09月16日

アマチュアの和楽器録画に朗報

こちらの記事のように、私のようなアマチュアが和楽器等の生楽器を録画・録音するための良い機材がなく苦労してきました。

ソニーから「ミュージックビデオレコーダ HDR-MV1 が発表され、このような悩みを持つ方にとって朗報となりそうです。

レンズは F2.8 18.2mm の広角と「分かってらっしゃる」スペックですし、ソニーが本気出したなら音質も期待出来そう。

GoPro なんてソニーが考えつかなくてどうする!!! って感じのカメラだし、海外メーカーにヤラっれぱなしの状況が長年続いてますが、やっとソニーも元気になってきたかな...
タグ:録画 和楽器
posted by モッパー at 18:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ/音楽

2013年02月11日

和楽器の録画と録音

昨日は妻の主催する和楽器(琴、三味線)の教室の演奏会で、いつも通り記録係(写真、動画)を仰せつかりました。

なかなか世の中にはない情報なので記録機器を公開しておきます。
ただし、私はこの分野はズブの素人ですから信用してやってみて「これじゃ全然ダメだ」と怒らないでくださいね(笑)。

和楽器の録音機材に関しては、なかなかネットでは情報が見つかりません。テレビや Youtube でプロフェッショナルな動画を観察するとよく使われているマイクは SONY の C-38B のようです。ただし、各楽器それぞれ何種類ものオンマイクで収録し、さらに3点吊りのオフマイク等もミックスして... という感じでしょうから、とてもアマチュアが手を出せる機器ではありません。また、収録を目的とした演奏会でないとマイクのセッティングを曲毎に変えたりなんて出来ませんし、ステージ前にマイクを立てること自体が演奏会の雰囲気を壊すことになりかねません。

写真や動画についても和楽器の演奏会は非常に条件が厳しいです。和室から大ホールまで、大きさから照明条件からバラバラです。和室の場合はさらに時間帯によって明るさがかなり変わっていきます。

おまけに私一人で写真と動画両方なんてとても無理! 今回は動画は人にお願い出来たので大変助かりました。
また、収録した後の編集にも時間がかけられないのでいかに素早くメディアにしてしまうかも重要です。音声は PCM 録音機で収録して動画とマージというのも試みましたが、琴や三味線は音の立ち上がりが速く手の動きと少しでもズレているとすぐに分かります。フリーやアマチュア向けのソフトでなんとか出来るものではありませんでした。

ということで、動画と録音の両立はマイク端子のついているビデオやデジカメと外部マイクが最も廉価で手間が少ないというのが私の結論です。ただし、音楽の性質上、音量の自動調節なんてされるのはもってのほかでマイクの音量レベルをマニュアル設定できるものでないといけません。こんな条件にヒットするアマチュア向け機器はなかなか見つかりません。

最終的に見つけたのは Xacti HD-1000(中古)。現時点でも多分他にないのでは? (どなたかご存知なら是非教えて頂きたい)
ピントがイマイチとか、デジカメ動画の宿命で色彩や実質的な解像度は良くないとか、MPEG4 なんて...とか言い出すとキリがないので、音質優先ということで我慢我慢。

P2100133.JPG
今回は和室なのでワイコン(ロワの0.45倍)を使用。


P2100134.JPG
マイクはオーディオテクニカのAT822。これも生産終了品です。ノイズレベルは高いですが「痛い」音にならなくて良い。現行品だとAT9943あたりがよさそうな感じがします。WM-61A改造もやって見ましたが「痛く」て和楽器には合いませんでした。

P2100138.JPG
観客席の隅っこに立てるしかないので...これでもかなり雰囲気壊してしかも邪魔です。この程度の距離なら比較的良い音でとれますが、ホールでは画角の関係からステージからかなり離すしかないのでボケボケの音になってしまいます(泣)。マイクケーブル延長すりゃ良いのでしょうが、私にはその技術がありません。
ヘッドフォンだけはプロ品質の MDR-Z1000
オーサリングソフトは Xacti についてきた Ulead DVD MovieWriter 5 for SANYO です。お金出してもっと良いの買えば良いんでしようが、編集にはこだわりがないので、これで十分です。

 
2013.9.16 追記
ソニーから HDR-MV1 が発表され、このような用途の本命になりそうです。こちらの記事をご覧下さい。
posted by モッパー at 18:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ/音楽
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