DEFY3 君の悪名高き鉄下駄ホイールである SPINFORCE(スピンフォース) の回転が渋いことは前から気になってました。特にフロントは空転させても 20 秒くらいしか回ってくれません。DEFY3 は中古で買ったので、どのような状態になっているか分からないし。ハブの分解・清掃・グリスアップとスプロケットの清掃も含めて一気にやってしまうことにしました。
まずは以下のあたりのサイトを見て勉強、勉強...
http://blog.roady.jp/2012/11/12134305.html
http://www.hi-ho.ne.jp/mtan/Road/defy/mainte_hub_maintenance.html
以下、素人が初めてやった作業なので多少の間違いや不手際はご容赦下さい。
まずはクイックを取り外します。
ロックナット(一番外側にあるギザギサのやつね)に17mmのレンチをかけます。めがねレンチは不可だけど厚みのある普通のレンチでOK。モンキーでもいけるはず。内側の玉押しに13mmのハブコーンスパナをかけてロックナットを緩めます。以下の写真では逆ネジのように見えますが、スパナのあて方の間違いです。正ネジでした。ちなみに、今回いくつかは逆ネジあるだろうと思ってましたが、結局全て正ネジでした。
今回片側はうまくロックナットを外せましたが、もう片側は固着が激しく諦めました。もし両側のロックナットを緩めた場合は、組み上げる時に車軸の中心にハブが来るよう注意が必要だそうです。
玉押しを取って車軸を抜くとベアリングボールが見えるようになります。ボールの数と状態を確認。今回はグリスにくっついてボールは落ちませんでしたが、車軸を抜くとバラバラ落ちることもあるようなのでトレーの上でやりましょう。
写真じゃ良くわかりませんが、グリスは結構残っておりゴミや水分の侵入も少なく予想したより良い状態でした。前ユーザーが一度もメンテしてなかったとすると室内保管で何万キロも走ってないのではないかと思います。
左右のボールを落とします。マイナスドライバーでウリウリ落としました。左右それぞれ10個でした。
後述しますが、左右のボールを混ぜてしまったのはまずかったと思います。
トレー上で取り外した各部品をパーツクリーナで洗浄します。
今写真を見て気付きましたが、ボールの径は同じのようですが半分は色が若干異なります。左右での劣化状況の違いでは ? ボールの摩耗状況により左右で径が微妙に異なってしまっていることも容易に想像出来ます。左右のボールを混ぜると良くないですね。
ベアリングハウス内のグリースをパーツクリーナーでしっかり落としてからデュラグリス(別にデュラでなくとも良いです)を塗り、ボールを取り付けます。ボールの上からもたっぷりグリスを塗布。
後は、他のパーツにもグリスを塗布して、外したのと逆順で組み上げれば OK。玉押しのような接触・可動部位にはたっぷりとグリスを、車軸やクイックは防錆目的なのでそれなりの量の塗布で大丈夫でしょう。
一番難しいのは玉押しを締めるトルクです。手で閉め込んで車軸を回すと多少ゴツゴツする感じが良いとか、手で閉め込んでから少し緩めるくらいが良いとか諸説あるようです。あまり緩いとボールと玉押しやハウジングがぶつかり「虫食い」と呼ばれる傷が発生してしまうらしい。
ただし、絶対まずいのは車軸にガタがある状況でしょう。最初は「ガタのない状態」の加減が良くわからないので、組み上げて車体に搭載してタイヤを触ってガタを確認して...を2-3度繰り返しました。そうすると車軸を触っただけで大方のガタの状況が分かるようになります。
かなり緩めるとホイールを空転させると 2 分くらい回り続けるようにすることも出来ましたが、車軸を手で回すとほんのちょっとゴリゴリ感ある状態で 1 分回る程度で納得することにしました。とりあえずこれでしばらく運用してみようと思います。
以下、SPINFORCE のフロントハブの分解に使用した工具等です。
上段左から... 13mm ハブコーンスパナ・デュラグリス・17mm スパナ・マイナスドライバ(グリス塗布用)・パーツクリーナ(BC-8)・軍手・トレー。
さて、ここからはリアハブの分解・清掃です。
リアはまずスプロケットを取り外す必要があります。スプロケットのロックリングを回す工具(かなり色々な名称があるようです。シマノの場合はTL-LR15という型番で探したほうが良い様子)とスプロケットリムーバーが必要です。
TL-LR15 は 24mm のメガネレンチが合いました。大型のモンキーでも代用できるでしょう。サードパーティー品で最初から柄がついている工具も売られています。
スプロケット外すのは初めてなのでビクビク... スプロケットって全部のギアがすぐにバラバラになるのかと思いソローリソローリと全部をまとめて持ち上げました。各ギアの組み付け方向とか決まっているだろうし、バラけて位置がわからなくなるとどうしよう...結果的には中心部の切欠けがうまく出来ていてバラしても大丈夫そうです。
バラけたのはトップギアのみで、あとのギアはくっついてました。
くっついているのは下の写真の 1.5mm のアーレンキーで回せるボルトで締め付けてあるためのよう。こいつを外すと全部のギアがバラけるのでしょうが、面倒なことになりそうなので緩んでいたボルトを締めあげてくっついたまま清掃することにしました。
パーツクリーナーと歯ブラシでガシガシ洗います。
スプロケットと逆の側(左側)のロックナットを緩めます。玉押しは 15mmのハブコーンスパナ、ロックナットは 17mm の普通のスパナ。
スプロケットと逆の側(左側)の玉押しを外します。
玉押しの状態。フロントハブの時より余裕が出て各パーツの状況をきちんと観察できるようになった(というかフロントでもやんないといけなかった)。虫食いはありませんが、茶色い筋が入ってます。触っても段差はありませんが、ちょっと焼き付いていたのかな ?
フロントと同じく、グリスも残っていてゴミの混入は少なく良い状態に思える。
スプロケット側。反対側に比べてシール構造が強固なのでより良い状態が保たれている。玉押しも左側に比べて全く綺麗。これくらいガードされているならスプロケットつけたままでパーツクリーナー振りかけても大丈夫な気がしてきた。
リアのベアリングボール。左右それぞれ 9 個づつ。リアはちゃんと左右区別して清掃しました。
写真じゃよく分かりませんが、左右で明らかに色が違う。左側(反スプロケット側はうっすら茶色に変色。やっぱり焼き付いているのか ?
フロントと違ってフリー機構があるのでパーツクリーナジャブジャブできないので、ハブ内のグリスはウエスで丹念に除去。
後はフロントと同じようにグリスアップして、分解と逆順で組み上げ。ディレイラーの裏側等普段なかなか清掃・グリスアップしづらいところにも手を入れられるので、しっかりメンテしておきます。
以下、SPINFORCE のリアハブの分解に使用した工具等です。
上段左から... パーツクリーナ(WAKO BC-8)・15mm ハブコーンスパナ・24mmメガネレンチ・マイナスドライバ(グリス塗布用)・スプロケットリムーバー・TL-LR15・17mmレンチ・WAKOメンテルーブ・1.5mmアーレンキー・デュラグリス・トレー。
写真じゃ汚く見えますが、実際には新品のようにキラキラになりました。こちらの記事のチェーンルブ塗布して終了。後から気付きましたが、透明のプラスティックのプレートって取っても良かったんだ。そのほうが見た目すっきりしそう。
実走行した結論としては...全然変わりません(泣)。綺麗になったしハブの状態も把握出来、きちんとグリスアップしたのでしばらくは安心という満足感はありますけど。あと、将来的にスプロケ交換も出来るようになったってことだし。
尚、これは私のようなヘタレがロードバイク一台のライフタイムで何回もやる作業じゃないでしょうし、一般家庭にはない特殊工具も必要なので、自分でやるべきかショップにお任せかはスレスレのラインだと思いました。作業自体は工具さえあれば特に難しくないので、日曜大工する方とか自動車/バイクを自分でメンテするような方なら楽勝です。
結局 3 ケ月後に WH-6700 にホイール自体を換装することになりました。でも、このハブメンテの経験は将来的に絶対役に立つでしょう。