夏休みは奈良帰省に続いて甲府へ。緊急事態宣言のさなかにあまりに不謹慎と思い、あまり詳しいことは書かないようにしようと思っていたのですが、宿泊したお宿があまりに素晴らしく書かざるを得ないので記事にします。
こちらの記事に書いた大弛峠へのヒルクライムへの帰りに偶然見つけた、看板も何もないけど妙に雰囲気のある佇まいの建物。大袈裟かも知れないけど、今から思えばこの時点から運命の巡り合わせが始まった。
ここは何なんだろうかと思い調べたらホトリニテという名のお宿で、熱狂的とも言える口コミの数々と評価の高さにビックリ。失礼ながら、これはスピリチュアル系の怪しいところじゃないかと思ったほど。ユニークな名前なので口コミの数々や過去受賞された数々の賞(世界ランキングで日本初をいくつも!!!)はお宿の名前で検索するとすぐに分かる。
結論から言うと特定の主義や感覚を持った方限定でなく万人が高い評価をすることが間違いない、奇跡のお宿。
費用は決して安くはないけど、実質的に旅館丸ごと一棟貸しで、アウトドアスポットのガイドやそのドローン撮影も含んでいることを考慮するとこのお値段はむしろ安い。もっとお高いなんとかリゾートのお宿も宿泊したことはあるけど「ホスピタリティー」と「心に残るもの」という点では今まででベスト。同泊したカミさんも娘も同じことを言っているので、間違いない。日本にこんなお宿があることを世界に誇りに思うってレベル。海外の方との付き合いが多い家庭なので、「どこに行くのが良い?」と聞かれることもあるけど、この金額が出せそうな方なら間違いなくこちらをお勧めする。
色々なことがいちいち素晴らしくてどなたも表現し尽くせないので怪しいくらい評価が高くなっているとよく分かった。とにかくここは一度泊まらないと本当の素晴らしさは分からない。
以下、説明出来るだけの言葉を僕は持たないので、簡潔な説明だけ。写真を見て雰囲気を感じて下さい。説明としてはこちらの記事やこちらの記事にお宿のマスターの高村さんご自身へのインタビューがあるので、そちらのほうが正確です。
お宿の入口。
こちらが「並」のお宿でないことはすぐに分かります。
玄関のお宿名の書と受付。
既にご主人が類まれなるセンスをお持ちなことが分かりますよね。
ウェルカムティー。
こんな素晴らしい設えを眺めながら頂きます。
お部屋の数々。居室以外のいくつものお部屋を場面に応じて自由に使わせて頂くことが出来ます。
あちこちの設えがとにかく素晴らしい、アーティスティックではあるのにしっくりと馴染んで落ち着ける。
希望すれば、多くのアウトドアポイントから選んだルートをご主人に案内して頂けます。
まんまトトロの森。
切り株おばけ。
なんとこれらのアウトドアポイント訪問時のドローンによる動画撮影まですべて宿泊費に含まれています。
頂いた動画を個人情報が特定できない程度に編集して短縮したものがこちらにありますので是非ご覧になって下さい。妖精の森に迷い込んだ我が家族の映画みたいで、家族の宝物の一つになりそうです。
実はお食事には期待してなかったのですが、そちらも心がこもった十分な内容でした。
なによりこの清らかな空気と静寂な雰囲気で食事を頂くこと自体が素晴らしい体験。
僕のようなヒルクライマーは初めての宿泊だったそうで、以下、ヒルクライマー視線での感想を述べたいと思います。
まず、こちらはヒルクライマーにとって天国です。
なんたって渋峠を抜いて自動車車両が通行できる日本最高所の車道峠である大弛峠(2365m)まで、往復約30km/920m。
健脚ならば6時にスタートして8:30の朝ご飯に間に合います。朝飯前に大弛峠なんて最高でしょ ?
バイクは施錠される玄関内に置かせて頂けます。2m程度の丈夫なワイヤー錠も貸して頂けるそうなので、数人のパーティーでも大丈夫でしょう。
今回は車載でロードバイクを持参しましたが、あくまで家族の希望を優先してそれを邪魔しない範囲のライドを前提にしたかったので、朝飯前ライドは日の出の5:00から6:00に申し込んだアウトドア案内まで。乙女湖展望台と乙女高原までのライドを楽しみました。
それでもこんな素晴らしい早朝の景色を楽しめましたよ。次はがっつり登りたいな〜。
やる気になればこんな昇仙峡までのルートも組めます。朝飯前はちょっと無理かもだけど。
かなり豊富なバリエーションルートが組めるので、このお宿まで車載しても良いですし、塩山や勝沼まで輪行や車載でこのお宿を拠点とするライドもヒルクライマーな方々にとっては非常に魅力的だと思います。ライドのドローン撮影なんて首都圏じゃ色々な規制からもうほとんど無理ですけど、そのような撮影もお願いできるみたいです。
最後に...
帰ってからこちらの記事を見て、高村さんが現代音楽家のジョン・ケージに多大な影響を受けられたと聞いてお宿のコンセプトがなんとなく理解出来ました。僕も若い頃にジョン・ケージには大きな影響を受けたので。僕としては「ミニマル・ミュージックみたいなお宿」と表現するのが一番しっくりします。
お部屋に飾られたジョン・ケージのアナログレコードを見て、音楽家の妻と「もしかしてジョン・ケージお好きなのかな ?」と話してましたが、高村さんとそのことを話しにもう一度行かなきゃ。
でもこのインプレッションじゃ音楽好きの宿かい ? になっちゃいますよね。でもそうではく、これは一例でしかありません。誰もが何かを感じて何かを見つけて帰ることが出来る、帰ってからも考え続けてもう一度行きたくなる、そんなお宿です。
自分で書いていて、これ読むとスピリチュアル系だと思うかもなと感じてますが絶対そんなことないですからね(笑)。言葉にできない…それがこのお宿の本質かも。