先日、仕事で製造ラインの IT 化による生産効率向上をテーマとしたセミナーの講師を恥ずかしながら務めさせて頂いたのですが、そこで考えたのがロードバイクとの対比。
よくよく考えて見ると、全世界のサイクリストのセンサーのデータがクラウドに集積されていて、誰でも他人との比較が出来るなんて一般的には夢の世界。まさに M2M / IoT / Bigdata を既に実現していると思うんですよ。
もちろん、これは自己紹介を兼ねた導入で本題はマジメなテーマなので、ドン引きされたらどうしようと内心ドキドキしてましたが、講演後「モッパーさん、ロードバイクの話面白かったですよ」とお声がけ頂けてホッとしました。逆にサイクリストの知り合いからは「普通のことなんで気付かなかったけど、まさに IoT ですよね」と。
ただね、話す内容を考えながらドキっとしたことが一つ。製造ラインに例えると、僕は老朽化した製造ラインを抱える高齢の社長さんみたいなもんなわけですよ。老朽化したラインの IoT と見える化をしてなんとか平均的なレベルの生産効率まではもってこれた。これ以上なんとかしようとするとイノベーションが必要。イノベーションの方法もコンペティタである自分より強い方々のログみりゃ大体は分かる。そこでハタと気付くわけですよ。強い方々は必ず自分より強度が高く量的にも多いトレーニングをやっている。えっイノベーションって実はそういうこと ? 非連続なジャンプアップなんてなくて地味に頑張ることが一番なのか。そこで高齢の社長さんはさらに考える。「頑張ってもあと十数年、老朽化したラインを平均レベルにしただけでオレは十分なんじゃないのか ? リスクを侵さずこのレベルを維持することがオレの使命なのかも」。トップがそう思った瞬間、イノベーションは終わる... お後がよろしいようで(笑)。