[購入に至った経緯]
輪行袋は、こちらの記事のようにタイオガコクーンを使ってきました。でも、今年に入って鉄道各社の輪行袋のルールの厳格化が報じられており、前輪のみ外すタイプのコクーンはサドルが露出する点やサイズの面でも明らかにルール違反です。そのため、前後輪外すタイプでルールを守ることが出来る軽量な輪行袋に移行することにしました。
で、調査の結果最終的に残ったのはオーストリッチの SL-100 と L-100。
SL-100 のほうが軽いですが、生地が薄く耐久性悪そうですし、価格とのバランスを考えると L-100 のほうが良さそうだと判断。
以下、オーストリッチ L-100 の使用方法とレビューです。ABCキュービックさんの輪行講習会から多くのアイデアを頂きましたが、そこからかなり自己流に改変してあります。
[まずは、購入・準備すべきもの]
オーストリッチから最低限購入必要なのは以下の2つ、L-100 とエンド金具です。
L-100には左から、本体・肩掛け紐・フレームとホイールを固定する紐・説明書・収納袋しか付属しません。
なので、以下のエンド金具は最低限追加購入必要です。
エンド金具に付属するクイックは後述の通りホイールから移植出来るので無駄なんですが、金具買うとついてきてしまうのでしょうがない。原価的にクイックのほうが高そうなんで文句言いたくなりますがブツブツ…
その他、スプロケットカバーやチェーンカバー、フレームカバー等のオプションもオーストリッチから販売されていますが、私のようにちょっとしたフレームへの傷なんて全然気にならない、とにかくササッと輪行できなきゃねと考えるタイプには必要ないものだと思い、まずは上記二種類だけ購入して運用してみることにしました。
以下、追加で用意すべきもの。
家具用のちょっとした Sカン と輪ゴム。チェーンの固定に使います。
薄手の調理用手袋。軍手代わりです。使い捨て。
ホテルから持って帰ったシャワーキャップ。スプロケカバーにします。
ダイソーで手に入る長さ20cmのズボン裾ドメ4本(ゴム入りベルクロのやつ)。フレームとホイールの固定に使用します。L-100 付属の紐は使いません。こちらのほうが作業性が圧倒的にアップします。
[ここから、実際の L-100 使用方法です]
まずはフロントタイヤを外します。結構不安定な状態なので倒れないよう注意します。
フレームを上下反転させます。ハンドル水平部の上にサイコンやらライトやらついている方は、外してからやらないとダメージ受けるかも知れないので注意しましょう。サドル形状等によってはかなり不安定な姿勢になりますので、それにも注意。
リアタイヤ外す前に、リアギアを最適位置にチェンジします。一番ローに落とすと書かれているサイトもありますが、私の DEFY3 ではチェーンステーとチェーンの干渉具合からするとミドルあたりが最適でした。
リアホイールのクイックをエンド金具に使用するため外します。
スプロケットにシャワーキャップ被せます。軍手でも良いようですが、軽量化のためシャワーキャップにしました。
エンド金具とホイールから移植したクイックを組み立てます。
このままだとチェーンのテンションが不足してブラブラするので、Sカンと輪ゴムでシートスティ上部あたりとチェーンを連結してテンションかけます。
エンド金具を取り付けます。
この姿勢でエンド金具が地面から垂直に立つように調製します。ハンドルの方向に注意。チェーン側との重量配分によりハンドルをこの方向に倒さないと全体が倒れます。とは言っても、かなり不安定な姿勢になりますので、倒れないように注意。
ここから、フレームとホイールの位置関係を調製する大変重要な工程です。まず、リアホイールのスプロケット側を外側にし、かつリアホイールをハンドルの逆側のフレームに当てがうと左右の重量バランスが安定します。次に下の写真の青丸の位置でフレームと左右のホイールががっちり固定出来て、かつ赤丸の位置でホイールハブがフレームに干渉しない位置関係を細心の注意をもって模索します。これがうまく出来ればフレームを傷つけることなくホイールを固定できます。
ここからは、下の写真の青丸・緑丸・黄色丸の位置で、ズボン裾ドメテープでフレームとホイールを固定していく作業が始まりますので、このイメージを頭に入れてからやっていきます。左右のペダルの位置にも要注目。
まずは青丸の部分。ここが最も重要です。上記のフレームとホイールの位置関係を崩さないまま、ダウンチューブとホイールが最も近接するポイントで固定します。ワイヤーと干渉しないルートで、ダウンチューブの上からバンドを被せてダウンチューブ下で交差させ、両ホイールを合わせて結束することがポイントですが、言葉では難しい... 下の写真をじっくり見てやって下さい。
次は緑丸の部分。サドルのレールにテープを通してから固定することがポイントです。
黄色丸の部分の固定。
実際には以下のように左右二箇所でクランクとホイールを固定します。
これで、以下のように3箇所の固定が出来ているはず。ダウンチューブあたりを揺すって、がっちり固定されているか ? フレームを傷つけたりホイールに無理な力がかかる場所がないか?を確認します。
次は L-100 本体を広げて以下の2つのマークを露出させ、マーク通りに車体を置きます。
肩掛け紐の片側をチェーンステー(チェーンの逆側)に取り付けます。
肩掛け紐を L-100 本体の穴に通します。
L-100 本体を車体に被せていきます。
肩掛け紐のもう片側をヘッドチューブに固定します。ワイヤーと干渉しないよう注意。
最後に巾着袋のように L-100 の口を閉じて完了。赤丸の部分、フロントフォーク先端が L-100 にも人にも優しくない感じなので、フロントフォークにもクイックつけたほうが良さ気です。エンド金具に使ったクイックと逆側のホイールのクイック使えば良いですね。
[ここからは、L-100 の収納方法です]
2つに折りたたみます。
さらに三つ折に。
ズボン裾ドメテープ以外の必要物を巻き込んで行きます。
巻き込んだら、ズボン裾止テープで締め上げます。
詰め込んだものが多いせいか、L-100 標準の収納袋には入りきらず、タイオガコクーンの収納袋でないと収まりませんでした。
ボトルケージには良い感じで収まります。
[さてさて、気になるコクーンとの重量比較です]
まずは、タイオガコクーン。
352g なり。
次にオーストリッチ L-100。
480g。エンド金具とか付属物多くなるので、本体の重量だけじゃ比較できないですね。容積的にはあまり変わらず、タイオガの収納袋に入れる限りボトルケージに入るのでまあ許すか...
輪行講習会で教えてもらったり、その後色々試行錯誤して感じたことは、やはりバイク個別の事情や個人の嗜好の違いがあって、輪行袋の運用には絶対的な正解は存在しないこと、ただし他の方のやり方や意見を聞くと眼から鱗なこともあり、色々なやり方を知ってより良い運用に進化させる価値があるものだということです。
最後に、このクソ長い記事にヒットしてしまって、輪行ってやっぱ難しい!って思ってしまった初心者の方がいるとまずいと思い一言。全く難しくありませんよ。慣れたら5分で終わる作業です。輪行すれば、サイクリングの幅がぐっと広がります。遠方に向かう時、マイカーでロードバイク運ぶことも出来ますが、バリエーションや柔軟性を考えると、私は輪行を選ぶことのほうが圧倒的に多いです。是非チャレンジして下さい!!!
2016.6.30 追記
フレームを変えてオーストリッチのエンド金具ではリアディレイラのワイヤーが地面と干渉するようになったので、エンド金具を自作しました。この記事を参照してください。
2016.4.25 追記
結局、横置き輪行袋とホイールバッグにおちつきました。こちらの記事を参照してください。